【2026年末調整】今年は12月に戻るお金が増える?「178万円の壁」で損しない5つのチェック

資産形成

こんにちは、ものぐさあざらしです。

税理士事務所で約10年働きながら、税理士試験の勉強をしています。

2026年(令和8年)の年末調整は、いわゆる「年収の壁」が178万円に引き上げられた影響で、去年とは変わる点がいくつかあります。去年と同じ感覚で申告書を出すと、受けられるはずの控除を取りこぼしてしまうかもしれません。

この記事では、会社員の方に押さえておいてほしい5つのチェックを、できるだけわかりやすくまとめました。

今年の年末調整で確認したい5つのチェック

  • 今年は12月に戻るお金が増えやすい
  • 家族の「136万円」を確認する
  • 23歳未満の子どもがいる人は生命保険料控除が最大6万円
  • 「178万円まで扶養内」は半分だけ正解
  • 自分で払ったものは自分で申告書に書く

「178万円の壁」とは所得税がかからない年収の上限

「178万円の壁」は、お給料だけの人が所得税を払わなくてよい年収の上限のことです。2024年までは103万円、2025年は160万円で、2026年分から178万円になりました。

税金を計算する前に収入から差し引ける金額が増えたことが理由です。だれでも差し引ける「基礎控除」が最大104万円、お給料の人が差し引ける「給与所得控除」が最低74万円で、合わせて178万円になります。

今年は12月に戻るお金が増えやすい

年収500万円前後の人ほど影響が大きい

基礎控除が最大の104万円になるのは、合計所得金額が489万円以下の人です。お給料だけの人なら、年収およそ665万円までが目安になります。去年の基礎控除は年収によって段階があったため、年収によって増え方が違います。

年収去年の基礎控除今年の基礎控除去年より軽くなる所得税の目安
300万円88万円104万円約8,000円
500万円68万円104万円約28,000円
700万円63万円67万円約8,000円
※独身・社会保険料は年収の15%・ほかの控除なしで試算した目安です(復興特別所得税を含みます)。

毎月の天引きには11月まで反映されていません

今回の改正は、毎月のお給料から天引きされる所得税には反映されていません。11月までは改正前のルールで天引きされ、12月の年末調整で新しいルールを使って1年分を計算し直し、引かれすぎていた分が戻ってくる仕組みです。

年末調整での精算自体は毎年行われていますが、今年は毎月の天引きに使われていた改正前のルールと、新しいルールとの差が大きくなっています。そのため、例年より12月に戻るお金が増えやすいのです。

しっかり戻ってきてもらうためには、申告書を正しく書いて提出することが大切です。

家族の「136万円」を確認しましょう

今年は、家族を扶養に入れられる収入の基準も引き上げられました。

区分今年(お給料だけの場合)去年(お給料だけの場合)
配偶者控除・扶養親族136万円以下123万円以下
配偶者特別控除136万円超207万円以下123万円超201万5,999円以下
特定親族特別控除(19〜22歳)136万円超197万円以下123万円超188万円以下
勤労学生控除(本人)163万円以下150万円以下
出典:国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」

年金暮らしの親を扶養に入れられるケースも

収入が公的年金だけの場合は計算が異なり、65歳以上なら年金172万円以下(65歳未満は122万円以下)が扶養の対象です。去年は対象外だった親が、今年は扶養に入れられるケースがあります。

離れて暮らしていても、常に生活費を送っているなら「生計を一にする」と扱われることがあります。70歳以上の親の扶養控除は、別居なら48万円、同居なら58万円です。扶養に入れられると、所得税だけでも2万円以上変わることがあります。

新しく扶養に入る家族がいるときは申告書の提出を

今回の改正で新たに扶養の要件を満たす家族がいる場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などを会社に提出する必要があります。出し忘れると、12月の計算に家族の分が入りません。家族の今年の収入見込みを早めに確認しておきましょう。

23歳未満の子どもがいる人は生命保険料控除が最大6万円

23歳未満の扶養親族がいる人は、2026年分と2027年分に限り、一般の生命保険料控除の上限が4万円から6万円に広がりました。

  • 対象は平成24年1月1日以後に契約した「新生命保険料」
  • 年間の保険料が12万円を超えると上限の6万円
  • 生命保険・介護医療保険・個人年金保険を合わせた全体の上限は12万円のまま
  • 同じ世帯の夫婦の間に23歳未満の扶養親族である子がいる場合、夫婦の両方が特例を受けられる
  • ただし、控除できるのは保険料を実際に支払った人だけ。同じ保険料を夫婦2人で控除することはできない

夫婦の両方がこの特例を使えるのは、それぞれが自分で保険料を払っている場合です。1つの保険の控除証明書を2人で使うことはできないので注意しましょう。今年の保険料控除申告書は計算方法が変わっているので、会社の案内をよく読んで記入してください。

「178万円まで扶養内」は半分だけ正解

年収178万円までなら、自分の所得税はかかりません。ここは正解です。ただし、「扶養」のラインは別にあります。

ライン年収の目安内容
所得税178万円ここまでは自分の所得税がかからない
扶養控除136万円家族が控除を受けられる上限
社会保険の扶養130万円超えると自分で社会保険に加入
社会保険への加入106万円勤め先の規模や働く時間によっては、ここから加入

社会保険の「130万円の壁」や「106万円の壁」は、今回の改正とは別のルールとして残っています。社会保険に加入すると保険料の負担が生じ、所得税がかからなくても手取りが減ることがあります。

また、住民税の基礎控除は今回の改正で変わっておらず、所得税より低い年収から住民税がかかります。家族手当などの会社の手当も、条件は会社ごとに異なるので、あわせて確認しておきましょう。

自分で払ったものは自分で申告書に書きましょう

会社は、お給料から天引きしていないお金の支払いを把握していません。次のようなものは、申告書に記入して控除証明書などを添付しないと控除されません。

  • 自分の口座から払っているiDeCo(イデコ)の掛金
  • 自分で払っている国民年金保険料(生計を一にする家族の分を払った場合も含む)
  • 地震保険料

たとえば、大学生の子どもの国民年金保険料を親が代わりに払った場合は、払った親の社会保険料控除にできます。

出し忘れに気づいたとき

年末調整のあとでも、源泉徴収票が交付される翌年1月末までなら、会社で年末調整をやり直してもらえる場合があります。間に合わなかったときは、確定申告で取り戻すことができます。まずは会社の担当者に相談してみてください。

まとめ

  • 今年は改正前と新しいルールの差が大きく、12月に戻るお金が増えやすい
  • 家族の扶養の基準は136万円に。年金暮らしの親も確認を
  • 23歳未満の子どもがいる人は一般の生命保険料控除が最大6万円。控除できるのは実際に払った人だけ
  • 「178万円まで扶養内」は半分だけ正解。178万円は所得税の壁で、扶養や社会保険の壁は別
  • 自分で払ったiDeCo・国民年金・地震保険は自分で書く

わからないことがあるときは、国税庁の「年末調整がよくわかるページ」や、チャットで質問できる国税庁の「ふたば」も活用してみてください。

YouTubeチャンネル「ものぐさあざらし」では、この内容をずんだもんと一緒に動画で解説しています。

参考資料

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※この記事は2026年10月時点の情報をもとに作成しています。情報の正確性に努めていますが、最終的な税務申告はご自身の責任、または管轄の税務署・税理士へご相談の上で行ってください。

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