「株が上がってるから、一旦売って安くなったら買い直そうかな」
そう思ったことはありませんか?先日、まさにそんな相談を受けました。
一見すると賢い判断のように見えますが、実はこの考え方には落とし穴が3つあります。今回は、実際の相談エピソードをもとに「なぜ売り買いが難しいのか」「じゃあどうすればいいのか」をわかりやすく解説します。
目次
- 実際にあった相談エピソード
- 「安い時に買い直す」がほぼ無理な理由
- 売ると起きる「見えないデメリット」
- じゃあどうすればいいか
- まとめ
実際にあった相談エピソード
先日、投資をしている知人からこんな相談を受けました。
「最近ずっと株が上がってたし、そろそろ下がりそうな気がする。だから今のうちに売って、また安くなったら買い直そうと思ってるんだけど、どう思う?」
悪意があるわけでも、無謀なわけでもなく、むしろ「賢く動こう」という気持ちから出た考え方です。でも、この思考にはいくつかの落とし穴があります。
「安い時に買い直す」がほぼ無理な理由
底がどこかは誰にもわからない
株価がどこまで下がるか、それはプロの投資家でも正確には分かりません。世界中のアナリストが毎日予測を立てていますが、それでも外れることがほとんどです。
「そろそろ下がりそう」という感覚で売っても、その後も上がり続けることは珍しくありません。
売った後もそのまま上がり続けることがある
よくあるパターンがこれです。
- 「高いから売ろう」と判断して売る
- 売った後も株価が上昇し続ける
- 「早く下がってくれ」と待ち続ける
- 下がらないまま、最初より高い値段で買い直す羽目になる
一度売った後に上がってしまうと、心理的に「悔しくて買い戻しにくい」という状態になります。その結果、ずっと待ち続けて、結局タイミングを逃してしまう人がとても多いのです。
待っている間も時間は過ぎていく
投資において「時間」は非常に大切な要素です。売って現金を持っている間は、その資産は増えません。「いつか安くなるだろう」と待ち続けることは、資産を増やすチャンスを手放していることにもなります。
売ると起きる「見えないデメリット」
NISAで売ると、その年の枠は戻らない
NISAには年間360万円の非課税枠があります。しかし、売却してもその年の枠は復活しません。翌年には枠が戻りますが、「今年売って今年中に買い直す」という計画は、枠不足で実現できないことがあります。
| 状況 | 枠の扱い |
|---|---|
| NISAで売却した年 | 枠は戻らない |
| 翌年 | 売却分の枠が復活する |
特定口座では利益の約20%が税金になる
NISA以外の特定口座で株を売却し、利益が出ている場合、その利益の約20.315%が税金として引かれます。
たとえば10万円の利益が出ている状態で売ると、約2万円が税金になります。そこから安く買い直せたとしても、税金分をカバーできるほど値下がりしないと、トータルでマイナスになるケースも十分あり得ます。
じゃあどうすればいいか
①下がるのは「普通のこと」と知っておく
世界の株式市場は、長期的に見れば右肩上がりです。しかしその過程では、何度もガクッと下がっています。重要なのは、そのたびに慌てて売らずに持ち続けた人が、長期的には最もリターンを得ているというデータがあることです。
下がったときに慌てないためには、最初から「これは10年以上触らないお金で買う」と決めておくことが大切です。
②積み立て投資(ドルコスト平均法)の力を活かす
毎月一定額を積み立て続ける方法を「ドルコスト平均法」といいます。名前は難しそうですが、内容はシンプルです。
高いときも安いときも毎月同じ金額を買い続けることで、平均的な購入価格が下がっていきます。つまり、「安い時に自動的にたくさん買える」状態を作れるのです。
「安くなったら買い直す」と頑張らなくても、積み立てを続けていれば自然とそれができている状態になります。
③「なんのために投資してるか」を思い出す
売りたくなったときほど、「なんのためにこのお金を投資しているのか」を思い出してみてください。
老後のためであれば、30年後に増えていれば十分です。だとすると、今日の上げ下げに反応して売り買いすることは、目的からずれた行動になっています。
目的を思い出すと「今は売らなくていいか」と落ち着けることが多いですよ。
まとめ
「上がってるから売って、安くなったら買い直す」は、一見賢そうに見えて、実はかなり難しい判断です。
- 底がどこかは誰にもわからない
- NISAで売ってもその年の枠は戻らない
- 利益に約20%の税金がかかる場合がある
これらの壁を全部乗り越えないと、売り買いはプラスになりません。それよりも、積み立てを続けて、投資の目的を忘れないことの方がずっと大切です。
不安になったときこそ、焦らず「長期・積み立て・分散」の基本に立ち返ってみてください。
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